小型でオンラインゲームできて軽くてストレスのない、丁度よいオトナのAndroidタブレット。
これがもう、本当にない。
ちょうどいいのが、ないのだ。
高すぎるか、性能が低すぎるか。
「帯に短し襷に長し」とはよく言ったもんで、わたしの検索履歴は「小型 タブレット おすすめ」「8インチ 最強」などの悲痛な叫びで埋め尽くされていた。
もう諦めて、高いやつで我慢するか……。
そう思っていた矢先だった。
「Lenovo Legion Tab Gen 3」レビュー動画
【レビュー】Lenovo Legion Tab Gen 3は「ちょうどいい」救世主だった
発見してしまった。
「Lenovo Legion Tab Gen 3」!
どうせまた、期待させておいて「でも日本じゃ発売しません」のパターンやろ。
わたしは斜に構え、冷めた目でスペック表を眺めた。
「CPU: Snapdragon 8 Gen 3」
「メモリ: 12GB」
「ディスプレイ: 8.8インチ 2.5K 165Hz」
……ほう。
「AnTuTuスコア200万点超え」
200万点て。ナイマーニが夢見た巨万の富より多いやんけ。
しかも、価格が7万円台。
いや、おかしい。なにか裏がある。
絶対に「ただしクソ重い」とか「バッテリーが30分で尽きる」とか、そういう罠があるに違いない。
わたしは猜疑心の塊と化し、さらにページを読み進めた。
そこで、とんでもないものを発見してしまった。
「2つの、Type-Cポート」
え、待って。2つ?なんで?
充電しながら、有線イヤホンやゲームコントローラーが使えるように、だと……?
わたしは打ちのめされた。
これだ。わたしが探し求めていた「理にかなってないけど、憎めないどころか、なぜか愛しくて仕方ないもの」は、これだったのだ。
普通のメーカーなら「ワイヤレスで全部解決する未来を想像(キリッ」とか言って、ポートを減らす方向に舵を切る。
でも、こいつは違う。
ユーザーが本当に困っているであろう「充電中の有線どうすんねん問題」に、もう一個ポートを増やすという物理で殴るような、あまりにも誠実な方法で答えを出してきた。
※今回はクロスワークス様より、ブログレビュー用にタブレットをレンタルさせていただきましたよ♪
使ってわかった魅力|165Hzの快感と本当に使えるPCモード
数日後、届いた本体を手に取って、わたしはまた驚いた。
Webページを開いて、スクロールする。
シュイーーーーーーーン………。
なんだこれは。目が、脳が、とろける。
これが165Hzの世界……。
今まで見ていた60Hzの画面が、まるでパラパラ漫画だったかのように感じる。
YouTubeアプリで大量のサムネイルをガーッと動かしても、まったくカクつかない。
これはもう「食後の鈴鹿サーキット」だ。
ラーメンズ小林賢太郎もびっくりの快感である。
「この性能……PCモードで試してみるべきでは……?」
正直、期待していなかった。
AndroidのPCモードなんて、だいたい見かけ倒しで、ウィンドウを2つも開けば動作がもっさりして「もう勘でいきましょう」と教官に言われる縦列駐車くらい使い物にならなくなるのがオチだ。
ポチッ。
……あれ?
サックサクやんけ!!!!!!!!!!
ブラウザとメモ帳とYouTubeを同時に開いても、まったく固まらない。
むしろ、わたしの脳の処理が追いつかない。
安価なタブレットのPCモードが、面倒な役所だか評判の悪い歯医者だとしたら、こいつは執事が淹れてくれた紅茶くらいスムーズだ。
さらに、わたしを感動の渦に叩き込んだのが「バイパス充電」という機能。
充電ケーブルを挿すと、バッテリーを介さず、本体に直接電力を供給するらしい。
つまり、バッテリーの劣化を抑えながら、長時間使える。
Legion Tab Gen 3のデメリットは?購入前の注意点
まず、microSDカードが使えない。
指紋認証も、GPSも、イヤホンジャックもない。
わかる。わかるよ。Type-Cが2つあるんだから、イヤホンジャックくらいええやろって思う気持ちは。
でもな、世の中には充電しながら有線イヤホンで音楽を聴きつつ、さらにもう一つのポートで有線コントローラーを使いたい人間だっているかもしれんのやぞ!知らんけど!
この「Lenovo Legion Tab Gen 3」は、完璧じゃない。
でも、最高だ。
アンドロイドで、どのタブレットを買うか迷っている、かつてのわたしのようなあなたへ。
やたらと「未来」とか「体験」とか言ってくるキラキラした製品に、ちょっと疲れちゃったなら。
この、ほどよくちゃんとしている一台を、そっと候補に入れてみてほしい。
きっと、あなたの「これじゃないとアカン」が見つかるはずだから。
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